空き家は全国で約900万戸 、その多くが管理されないまま放置されています。
建築のプロが確認すると、住宅の傷みはお客様の想像を超えて早く進んでいます。

本日2026年11月4日朝、TVで特定空き家を取り上げていました。
空き家となってしまった実家の取扱いに困っている方も多いと思います。今回は、特定空き家について、お話しします。

特定空き家とは

空家等対策特別措置法に基づき、次のような状態の空き家を市町村が「特定空き家」に指定できます。

  • 倒壊などの危険がある
  • 衛生上有害である
  • 景観を著しく損なっている
  • 周辺の生活環境を守るために放置できない

手続きは助言・指導、勧告、命令、行政代執行の順に進みます。

税金上の大きなリスク

最も影響が大きいのは固定資産税です。

住宅が建つ土地は「住宅用地の特例」で課税額が最大6分の1に軽減されていますが、勧告を受けるとこの特例が外れ、土地の税額が最大で約6倍になることがあります。

命令に従わなければ50万円以下の過料、代執行になれば解体費用も所有者に請求されます。

2023年の法改正で、特定空き家の手前の「管理不全空き家」も勧告で特例が外れるようになりました。

「まだ大丈夫」と思っている段階が、すでに分かれ道です。

ちょっとだけ裏話

税金の次に所有者を苦しめるのが、売却時の「買い叩き」です。

「勧告」「命令」の事実は買い手に伝わる

特定空き家の指定や勧告は、不動産会社が役所の確認や現地調査で把握できることがほとんどです。買取業者は、売主の「早く手放したい」という事情も含めて価格を組み立てます。

買取業者の頭の中

業者が見ているのは、市場価格ではなく「いくらで仕入れて、いくらかけて、いくらで売れるか」です。特定空き家だと、次の項目が仕入れ値から差し引かれます。

  • 解体費用(木造でも数百万円規模になることがあります)
  • 近隣対応・行政への是正対応のコスト
  • 残置物の撤去費用
  • 再販までに時間がかかるリスク

その結果、相場より大幅に低い提示になることは珍しくありません。「どうせ壊す建物だから」と土地値からさらに引かれるケースもあります。

足元を見られやすい場面

  • 固定資産税が上がり、焦って売りたいとき
  • 命令や代執行が迫り、期限が決まっているとき
  • 相続人同士の話がまとまらず、早期決着を望んでいるとき

業者はこうした事情を話の中で自然に聞き出します。「期限があります」と最初に伝えるのは、交渉上かなり不利です。

閑話休題(まとめ)

ちょっと冷たい言い方ですが、特定空き家の指定を受けてしまった以上、値がつくだけでもありがたい話です。現状を受け入れ、欲は捨てるべきです。

それでも、実家を法外な価格で手放しては、亡くなった両親に申し訳ないなど思いはそれぞれですね。
そこで、念のため次の通り、お試し下さい。

買い叩かれないための現実的な対策

  1. 複数社に査定を依頼する
  2. 自分でできる範囲で草刈りや残置物を整理するなど、少しでも買取価格を引き上げる
  3. 解体するか、現状のまま売るかを比較検討する
  4. 自治体の空き家バンクや相談窓口を使う

建築家としてのひと言

建物の価値は、「いつ手を打ったか」で大きく変わります。

同じ家でも、傷みが浅いうちに売れば「中古住宅」、行政から指導を受けた後では「処分に困る物件」と見られてしまいます。

迷っているなら、まず現状を専門家に診てもらうことが、将来の損失を減らす第一歩です。

最後に

空き家は、売却・賃貸・解体・活用のどれを選ぶにしても、早く動くほど選択肢が広がります。

自治体の補助金や、相続した空き家の売却時に使える3,000万円特別控除などの制度もあります。
ただし制度は改正されやすく要件も細かいため、税務は税理士、補助金は自治体窓口でご確認ください。

当社はお客様第一主義です。力になります。気軽に声をおかけ下さい。

投稿者:株式会社植松 代表取締役 植松文也
(一級建築士・1級建築施工管理技士)
マイペストプロ長崎に選出されています。