共同住宅におけるメゾネットタイプは、集合住宅でありながら戸建て感覚の居住性を享受できるため、近年人気が高まっています。
そこで、メゾネットタイプの具体的なメリットと、どのようなライフスタイルの方におすすめできるかをご紹介します。

メゾネットタイプとは?
メゾネットタイプとは、共同住宅の一住戸が、住戸内で上下複数階に分かれている間取りのことです。一般的には2層以上の構成で、内部階段で各フロアが繋がっています。
わかりやすく言い換えると、2階建ての戸建てが繋がった長屋って感じです。

メゾネットタイプの主なメリット
戸建て感覚の居住性:
- プライバシーの確保: 寝室や書斎などのプライベート空間と、リビング・ダイニングなどの共有空間をフロアで分けることができるため、生活にメリハリがつき、プライバシーが確保しやすくなります。
- 来客時も、生活空間を見られずに済みます。
- 空間の広がりと開放感: 縦方向への空間の広がりが生まれ、天井高のある開放的なリビングなど、一般的なフラットタイプにはない魅力的な空間を創出できます。
- 音の問題の軽減: 上下は同じ家族なので、音が聞こえても騒音とは感じないのでストレスがありません。

多様な空間利用とゾーニング:
- 生活導線の分離: 階層ごとに役割を持たせることで、生活導線を明確に分けることができます。
- 例えば、上階を寝室やプライベート空間、下階をリビングやダイニングといったパブリック空間にするなど、ライフスタイルに合わせたゾーニングが可能です。
- 趣味・仕事スペースの確保: 1階を仕事部屋や趣味のスペース、2階を居住空間とするなど、多様な使い方ができます。
- SOHO(Small Office/Home Office)利用を考えている方にも適しています。
- 独立性の高い子供部屋: 子供が成長した際に、より独立性の高い子供部屋を確保しやすいというメリットもあります。

デザイン性の高さ:
- 内部階段や吹き抜けなどを取り入れることで、一般的なフラットタイプにはない、個性的でデザイン性の高い空間を演出できます。
- おしゃれなデザイナーズマンションにも多く採用されています。
- 家具の配置やインテリアコーディネートの幅も広がります。
- 通風・採光の確保:
- 複数階に窓を設けることができるため、風の通り道を作りやすく、採光も多方向から取り入れやすい場合があります。

メゾネットタイプがおすすめな人
- 戸建てに住みたいが、経済的・立地的な制約がある方: 集合住宅でありながら戸建てに近い感覚を味わいたい方に最適です。
- プライベート空間を重視したい方: 寝室とリビングを分けたい、来客時も生活空間を見られたくないという方。
- テレワークやSOHO利用を考えている方: 仕事とプライベートの空間を明確に分けたい方。
- 小さなお子さんがいる家庭: 上下の階層を分けることで、お子さんの遊び場と大人のくつろぎの場を分けやすいです。ただし、階段からの転落防止対策は必要です。
- インテリアや空間デザインにこだわりたい方: 個性的な空間で暮らしたい方。
- ワンフロアのフラットタイプでは物足りなさを感じる方: 空間の広がりや変化を求める方。

閑話休題
このようにメゾネットタイプには、大きなメリットがあります。
一方で、次のようなデメリットもあります。
考慮すべき点
- 階段の昇り降り: 毎日階段を昇り降りするため、高齢者や足腰の弱い方には不向きな場合があります。小さなお子さんがいる場合は、階段からの転落防止策が必要です。
- 引っ越しや家具の搬入: 大型家具の搬入が難しい場合があります。
- 冷暖房効率: 吹き抜けがある場合などは、冷暖房効率が悪くなる可能性があります。
- 家賃: 一般的にフラットタイプよりも家賃が高めに設定されている傾向があります。

賃貸住宅のオーナーへお薦めします
これまでの木造アパートの多くが、フラットタイプです。各階で複数室を平面的に区画して、かつ上下階を同じ間取りとしてきました。
確かに、設備の配管経路などが集約できる、また階段は外階段だけなど、建築コストは低く抑えることが出来ます。
しかも、平面計画だけで済むので、施主も業者も取り組みやすく、現在も主要な構造となっています。
しかし、上下階の騒音トラブルは致命的です。
加えて、オリジナリティーやバリエーションに乏しく、競合相手との競争力に欠けます。
総じて、アパートが古くなるほど空室率が高まる傾向にあるようです。
これらの点を踏まえ、賃貸住宅のオーナーには、メゾネットタイプの物件を検討することをおすすめします。共同住宅でありながら、より豊かな住まいを提供できる選択肢として、ぜひ注目してみてください。
