「住宅省エネ2025キャンペーン」は、4つの主要な事業から構成されており、それぞれ補助額が異なります。以下に各事業の補助額の概要をまとめます。
1. 子育てグリーン住宅支援事業
この事業は、新築住宅の取得と既存住宅のリフォームで補助額が大きく異なります。
新築住宅の場合
- GX志向型住宅(全ての世帯対象): 1戸あたり最大160万円
ZEH水準を上回る高い省エネ性能を持つ住宅が対象です。 - 長期優良住宅(子育て世帯・若者夫婦世帯対象):
建て替え前の住宅を除却する場合: 最大100万円/戸
上記以外の場合: 80万円/戸 - ZEH水準住宅(子育て世帯・若者夫婦世帯対象):
建て替え前の住宅を除却する場合: 最大60万円/戸
上記以外の場合: 40万円/戸
リフォームの場合(全ての世帯対象)
- 上限額: 最大60万円/戸
必須工事(開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備の設置)を2つ以上行うことが条件。 - 必須工事を全て(3つ)行う場合: 60万円/戸
- 必須工事を最低2つ以上行う場合: 40万円/戸
- さらに、子育て対応改修(家事負担軽減、防犯性向上など)やバリアフリー改修、空気環境改善などの追加工事も補助対象となり、工事内容に応じて加算されます。
- 例: 内窓設置 1.1~1.7万円/箇所、外窓交換 2.2~3.4万円/箇所、高断熱浴槽 3.2万円/戸、節湯水栓 6,000円/台 など、細かく設定されています。
2. 先進的窓リノベ2025事業
- 上限額: 1戸あたり最大200万円(補助対象費用の1/2以内)
- 既存住宅の窓・ドアを、省エネ効果の高い断熱窓・ドアに改修する費用が対象です。
- 窓の性能や大きさによって補助額が細かく設定されています。
- 例: 内窓(小)1.1万円~、外窓交換(大)4.1万円~、ドア交換(Mサイズ)4.8万円~など。
- 補助金額の合計が5万円以上で申請可能です。

3. 給湯省エネ2025事業
- 上限額: 1台あたり最大20万円
高効率給湯器の導入に対して補助されます。
給湯器の種類と性能に応じて補助額が異なります。 - ヒートポンプ給湯機(エコキュート):
基本額: 6万円/台
特定の要件(A・B要件)を満たす機種: 最大13万円/台 - 家庭用燃料電池(エネファーム):
基本額: 16万円/台
特定の要件(C要件)を満たす機種: 最大20万円/台 - さらに、蓄熱暖房機や電気温水器の撤去を伴う場合は、加算補助(蓄熱暖房機:8万円/台、電気温水器:4万円/台)があります。
4. 賃貸集合給湯省エネ2025事業
- 上限額: 1住戸1台あたり最大10万円
- 賃貸集合住宅のオーナーが、従来型給湯器を小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ/エコフィール)に交換する際に利用できます。
- 追い焚き機能の有無や、ドレン水(結露水)の排水工事の状況によって補助額が変わります。
- 追い焚き機能なし: 5万円/台
共用廊下を横断してドレンレールを敷設した場合: 8万円/台 - 追い焚き機能あり: 7万円/台
浴室へのドレン水排水工事(三方弁、三本管(二重管含む))の場合: 10万円/台

閑話休題
このコラムを投稿しています、株式会社植松の代表取締役である植松文也は、吹けば飛ぶような会社のしがない一人親方です。
現調~打合せ・企画~設計・見積~施工・管理~メンテナンスと事務まで、文字通りの責任施工でやっています。丸投げは、一切していません。それでも、1億円を超える物件も施工しています。
補助金の申請業務も、当然、私自身で行っています。
こうした、申請実務者からの目線で、他の補助金の記事を散見してみると、AIなのか、外注なのか、要するに、建築知識と申請経験がないのか?内容に深みを感じられません。
実は、この「閑話休題」がコラムの肝です。最後まで、お付き合いをよろしくお願いします。
併用について
- 基本的に各事業の併用は可能ですが、同一の工事箇所や設備が重複して補助を受けることはできません。
- 例えば、「子育てグリーン住宅支援事業」で窓のリフォームを行う場合、「先進的窓リノベ2025事業」と併用して、より高い補助額を受けることが可能です。
増築について
- 事務局からは、増築について詳しいアナウンスはありません。
- 増築に関する補助金の可否判断には、まさしく建築知識と申請経験が必要です。
補助額は工事内容や製品の性能によって細かく設定されています。そこで、具体的な補助額を知りたい場合は、住宅省エネ2025キャンペーンの公式ページで確認して下さい。